11月15日はフランス産の新酒ボジョレーの解禁日。さっそく品川プリンスホテルの人気水族館『エプソン品川アクアスタジアム』内で行われた「アクアナイトde ボジョレー・ヌーボー」という解禁イベントの取材に行ってきた。
「ボジョレーもこのイベントも毎年楽しみにしています。」東京郊外に住むOLの女性はこの解禁日を待ち望んでいたようだ。また、会社帰りに立ち寄った男性は、「今日からボジョレーを好きなだけまた飲むことができます。家は近所ですが、このパーティーは今年が初めて。とても感じのよいところで来年もまた来たいです」と語った。
全面が水槽で、マンタをはじめ、エイやサメが悠々と泳ぐブルーの水中トンネルがカウントダウンの終了とともにワインレッドに染まり、ソムリエたちがグラスにボジョレーを注いでくれる。料理、ボジョレーは飲み放題、食べ放題で、ダイバーがガラス越しにお客と乾杯するなど凝った演出も盛りだくさんで十二分に楽しめた。
毎年好評のこのイベント。今年は約80名が参加し、カップルが大半を占めるなか、女性同士のグループも来ており、全体的には女性が多かったようだ。年齢層は、若い年代から高齢の方まで幅広い年代の人が参加していた。
そもそも、ボショレー・ヌーボーとは、フランスのボジョレー地方でその年に収穫されたブドウからつくられた新酒(ヌーボー:フランス語で「新しい」の意味)を指し、基本は赤ワインだが、1%ほどは白ワインも製造されている。解禁日は11月の第3木曜日で、日本では本場欧州に約8八時間ほど先駆け、世界一早くボジョレーが飲めるという謳い文句がある。ただ、実際はニュージーランドなどの方が早い。「世界一早い」というキャッチフレーズはワイン輸入会社の戦略なのだろうか・・?
歴史的に見ると、もともと軍用のワインであったボジョレーはそのおいしさから一躍パリ全土で有名になり、その後欧米各国に広まった。そして、1985年に日本にも伝わると、さっぱりとした味やどんな料理にもあうお手軽さ、値段もそこまで高くないなどの理由からたちまちブームとなり、各地の店頭には長い行列ができるほどであった。がしかし、バブル崩壊で一時のブームは去り、その後、1990年代後半からの赤ワインブームに乗って再び脚光を浴びるようになる。
2004年には日本におけるボジョレーの売り上げは史上最高に達したが、近年はユーロの高騰や飲酒運転の取締りの強化などの影響を受け、売り上げはやや伸び悩んでいる。だが、これは一過性の流行の時代を過ぎ、本当にボジョレーを愛する人だけが残っていったと見ることもできるだろう。今後は、多様化する好みに対応し、コンビニでも売っているような敷居の高くないボジョレーから、少し高価で洗練されたボジョレーまで多くの種類が登場し、それに伴って、消費者の楽しみ方もよりいっそう「自分流」になっていくことだろう。
「これからボジョレーを買い込んで家でじっくり味わいます」と、品川プリンスホテルのソムリエの方も一押しの今年のボジョレー。ボジョレーのお手軽さは一つの武器であり、私自身、今年らしい"多種多様な"ボジョレーの波に乗って楽しんでいこうかと思う。思い切って、少し高めのボジョレーにも手を出してみようか...
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