寒空の下で愛を叫ぶ! ある『愛妻の日』の出来事

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 131日が何の日かご存知でしょうか。
節分?立春?いいえ、違います!---- 131日は、「愛妻の日」なのです。

  1をアルファベットのiとよみ31と合わせてアイサイ。文字通り、日ごろ甘い言葉をかけられない日本中の旦那様に、この日だけは、「ミエ、テレ、タテマエ、セケンテー」を捨てて奥様に愛を告白するチャンスが与えられます。



愛妻の日を定めた日本愛妻家協会(http://www.aisaika.org/)は、この日を「午後8時、日本中の300万人の夫が食卓につき妻に感謝とねぎらいの言葉をかける」日(愛妻家協会趣意書より)としています。

  さて、今回記者が取材した「男の帰宅花作戦」は、株式会社日比谷花壇が主催した企画で、オフィス街のど真ん中、日比谷公園に特設ステージを設置して、帰宅途中のお父さんたちにステージ上で奥様への愛を叫んでもらおうというもの。風が吹きすさび、列島が寒波に見舞われる中、日比谷公園だけはアツアツにしてしまおうという、実にハートフルな企画です。
  ステージで見事本懐を遂げられた方には、裏に記念日を書き留めておける心強い名刺サイズの「愛妻家宣言証」と、「永遠の愛」を花言葉に持つチューリップを一輪プレゼント。旦那様たちには、ステージで抱いた気持ちを忘れないうちに一直線に帰宅して、奥様に日ごろの感謝を込めて花を贈ってもらうのです。

  英語の婚約を指す単語、engagementが、鳥籠(ゲージ)に入る、という語源を持っているように、しばしば結婚は人生の墓場だと言われてきましたし、中には今まさにそれを実感している方もいるかもしれません。実際に記者も「新婚から愛情は薄くなるばかり」という悲観的な結婚観の持ち主です、いえ、でした
  寒い公園でそれまで身を丸くして恥ずかしそうに並んでいたお父さん達が、自分の番になってステージに立つや、実に男らしく、実に誠実に、心のこもった奥様への告白をしているその姿は、記者の結婚に対するそんな考え方を、気持ちよく一刀両断してくれたのです。

  叫んだ旦那様たちは、新婚さんや若い方と、「ベテラン」組がちょうど半々くらいでした。さすがに若い方たちは元気がよく、「五月の出産には絶対立ち会うからねー!」など、これからの夫婦生活への期待に溢れた宣言が目立ちました。しかし、「ベテラン」組も負けてはいません。「ベテラン」組の方たちには、奥様同伴の方や、御殿場からはるばるやってきた方など若い方たちに比べて、気合の入った方が多かったです。やはり結婚に対する思い入れは、それが長くなるほど重くなってゆくものなのでしょうね。年配の旦那様のアツアツな宣言に目の前で見ていた奥様は、両手を広げて大喝采。「とっても嬉しかったです。いつもこんなことしてもらえてないから...」とおっしゃっていました。
  そんな愛妻家たちに混じって、中には、この企画をきっかけに愛妻家になる!と宣言された方や、'後ろめたいことがある'とつぶやき「俺が悪かったー!!」とステージを借りて懺悔した旦那様もいました。きっとあの方たちはこれからすっぱりと心を入れ替えて愛妻家としての第二の人生を歩みだし、将来の日本の愛妻界(?)を担ってゆくことになるでしょう。そう願うばかりです。

  恥ずかしげにそそくさとステージを去る方、思いのほか気持ちがよかったのか意気揚々と去ってゆく方、さまざまでした。ステージから帰って、下で待っていた奥様に照れ笑いで答えた旦那様のあの表情は忘れられません。互いへの思いやりに満ちていて、結婚って素晴らしいことなのかもしれないなと記者は心底感じました。

  さて、この日ステージに上がった方たちは、多くの困難を乗り越えつつもきっと幸せな結婚生活を送ってきたのでしょう。しかし、世間を見渡せば、そのような結婚生活はもしかしたらなかなか得られないものなのかもしれません。

  MDRT日本会という生命保険と金融サービスの国際組織が行った調査によると、日本の夫婦に自分たちを百点満点で答えてもらった結果、平均が67.71だったようです。平均的には皆さん理想そのままではなくとも、満足できるような夫婦生活を送っていることがわかります。
  しかし、その反面で、約半数の奥様が離婚を考えたことがあるというデータもあります。特に4050代で離婚を考えたことがある女性は過半数を超えていました。男性の比率が30%から40%に留まっているところを見ると、ある日突然「熟年離婚」を言い渡される、なんてこともひょっとしたら他人事ではないのかもしれません。
  では、そうした事態を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。

  同調査によると「夫婦円満の秘訣」は一位が56.4で「話をよく聞く」、次いで「感謝の気持ちを忘れない」が52.9%でした。また、一日30分以上話す夫婦は男女とも90%以上が「相手に愛情を感じている」と伝えています。ちなみに奥様が言われて最も嬉しい言葉は「ありがとう」(617人中170人の回答)とのことです。

  夫婦円満の秘訣は、何か特別なことではなく、日ごろから互いにコミュニケーションをとるという単純なことなのですね。インタビューに応じてくれたアメリカ出身の方のように、日ごろから奥様にねぎらいの言葉をかける・・そんなちょっとした心遣いの積み重ねが大事なのかもしれません。

  さて、今記事を読んでいる妻帯者の方も、そうでない方も、少しの間パソコンから離れて、奥様や大事な人に、一つ感謝の言葉をかけてみてはいかがでしょうか?
  思いのほかいい気分になれるかもしれませんよ。

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