パリコレならぬ オムコレ!? 『おむつのファッションショー』

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  最近めっきり涼しく秋らしくなってまいりましたが、秋といえばなんでしょう。食欲の秋、読書の秋...恋の秋、そして忘れてはならないのが、そう、ファッションの秋です!電車の中吊り広告でもファッション誌の「オータム特集」が目に付きますし、10月初旬にはパリコレも開催されました。

  皆さんは、ファッションショーをたまたま目にして、「えっ、これが服なの!?」と奇抜なデザインの服に驚いた経験、ありませんか?今回取材に伺ったのはそんな、パリジャンすら目を見張るような一風変わったファッションショーなのです。

  9月末、大井町駅前のビルの最上階のホールで開かれたそのショーの主役は、なんとオムツ!



目的は、大量の大人向けオムツを機能別にショー形式で紹介するとともに、介護における排泄の問題を寸劇で表現し、広く排泄の問題を啓発すること。排泄の問題の情報提供を行う「むつき庵」という団体が主催したものでした。ショーの前には、ご自身も親族五人の介護を経験なさったという「介護のエキスパート」であるカウンセラー、エッセイストの羽成幸子さんの講演もあり、日頃オムツとは縁がない人にもわかりやすく実体験を交えてお話していました。

  イベントの事前に、介護に関するインターネットの掲示板などをチェックした際にも、排泄に関する悩み相談が少なくありませんでした。しかし周囲にオムツ使用者がおらず、日ごろ介護に接する機会のない記者は中々イメージが湧きません。そこで、ファッションショーに赴く前に、「オムツを穿く生活」はどのようなものかを考えるべく、薬局で大人用紙オムツを購入し、実際に着けて生活してみたのですが・・・。

  まず最初に当惑したのは、その見た目です。吸水パットなどでふくらみがあるオムツを履くとジーンズの上からでもその部分がもこもこしていて不自然に見えることがありました。もし病気がちのご老人が、トレーナー素材などのゆったりとしたズボンを履けばより目立ってしまうでしょう。着る洋服も限られてしまいます。
また、処理の問題もあります。オムツは燃えるゴミとして捨てるのですが、捨てる前に固形物は誰かの手によりトイレでふき取られなければなりません。また、ゴミ箱に捨てた後もそこに自分の排泄したものがあると思うとあまり気持ちの良いものではありませんでした。
もちろんサイズが合わずに起こる尿漏れなど機能的な問題もあります。

  様々なオムツが紹介される今回のファッションショー、果たして以上のような問題点を克服するオムツがあるのかどうか、確かめてまいりました。

  ショーでは、先ほど述べたとおり、実に多様なラインナップを紹介しており、素人目にはほとんど同じ外見に見えても、ギャザーの形状や、パッドの位置など細かいところに人間工学を用いたデザインを採用するなど、どのメーカーも快適さを真摯に追及している印象を受けました。また、外見を考慮し、普通の下着とほとんど変わらないようなトランクスタイプのおむつもあり、記者が当惑した「服装面での制限」を克服しようという姿勢も確かに見られました。

  また排泄の問題は、おむつ業界単独で担えるものではなく、会場に来た企業関係者の中には、おむつを固形物のついたまま回収し、燃料に加工する施設を実用化された方もいらっしゃいました。使用後のおむつの処理の問題もきちんと克服を目指されているようです。

  以上のように日々進歩をとげ、快適さを追及されるおむつですが、まだ問題点があります。それは、おむつがこのように多様で、ニーズに合わせたものを提供できるようになっていることを、一般の介護者はおろか医療関係者もあまり認知していないということです。会場に来ていた看護士の方は、「病院では、決まったメーカーの一種類を使用しているので、こんなに種類があるとは知らなかった」とおっしゃっていました。

  今回このショーを主催したむつき庵の問題意識も正にそこにあり、一般の方への啓蒙のための展示や、「オムツフィッター」と呼ばれる団体独自の「排泄ケアのエキスパート」の資格試験を実施しています。
この活動は、介護の中で排泄問題に頭を悩ます全国各地の方々の共感を呼び、現在全国11ヶ所でむつき庵と同じ活動にあたる「ミニむつき庵」が運営されています。また、今回の会場にも、自分が介護に関わった経験を生かしたく「ミニむつき庵」の開設を考えているという方が足を運んでおり、むつき庵の活動は着実に広がりを見せています。

  より快適な排泄と、被介護生活を目指して・・・
  これからのむつき庵の活躍と、おむつの進歩に期待です。

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